ヘルガ・ヴァンフックの看取り
ヘルガ・ヴァンフック危篤の知らせを受け、城下町通りA区を訪れた。
ヘルガのヴァンフック姓は父方のものであり、ヘルガは初期国民リベルト・ヴァンフックの孫である。我がミリー国では、現存するヴァンフック姓の全てが、リベルト・ヴァンフックに連なる。リベルトは初期国民アポロニア・ウルジーを妻とした。ウルジー家は女児のみであったため、アポロニアのヴァンフック家入りをもって、ウルジー姓は断絶した。
ヘルガの母ウィルマは、初代女王ミリーの四男フランシスと、初期シャピー夫妻の次女セイディの間に生まれた。シャピー家も女児のみだったため、セイディのビリンガム家入りをもってシャピー家は断絶した。
かたや王族、かたや勇者夫婦という華やかな血筋が、落ち着いた性格のヘルガを近衛騎兵隊に志願することに駆り立てたのだろうか。
ヘルガのハヤサ能力値230超えは現在の騎兵隊の中では中堅といってよい。壮年時代から継続して騎兵隊に所属し実績を積み上げる彼女は、さぞや信頼される隊員であったことだろう。
ヘルガの夫セルヒオは、下山山岳エドモンド家の出身であり、初期国民ゴンサロ・エドモンドのひ孫にあたる。
ヘルガの長男サガモアはボヌー姓を名乗り、今年から剣持ちの魔銃兵として活躍している。長女アラーナもカーネイの瞳持ちで青年時代から魔銃兵に志願し続けている。ヘルガ系ヴァンフック家はシャピー家の血を濃く受け継ぐ武張った一門と言えるだろう。