ティム・ヒルシュの看取り
噴水通りにあるティム・ヒルシュの自宅を訪れた。
ティムはここで妻のフェリスと2人で暮らしている。
ティムの父イヴァノエは、初期国民エドモンド・ヒルシュの孫にあたる。
エドモンド・ヒルシュは、ゲンズブール家のリディアーヌを妻とし、長男ウリエン次男アンヘル長女ミリアムの3子をもうけた。
初期名簿には、リディアーヌ以外にゲンズブール姓はなく、リディアーヌは両親が他界していたか、帰化旅人であったかと思われる。よってリディアーヌのヒルシュ家入りによってゲンズブール家は断絶した。
エドモンドの次男アンヘル系列のヒルシュ姓はアンヘルの孫の代で断絶しているため、現存するヒルシュ姓はすべてエドモンドの長男ウリエンに連なる。ウリエンは初期龍騎士で名高いイスラエル・コーツの孫娘を妻に迎えている。
ティムの母イリーナは、バイゴッド家の出身である。初期国民デフロット・バイゴッドはオルロフ家のジゼルを妻とし、長男アルドヘルム次男アベル長女エドナの3子をもうけた。このうち長男は山岳タラレクに婿入りしたので、現存するバイゴッド姓はすべて次男アベルに連なっている。アベルには娘が2人いて、長女イレーナはヒルシュ家に入ったが、次女ペギーが結婚後もバイゴッドの家名をつぎ(このあたりの世代からNPCは妻の姓も引き継ぎ可能な仕様になった)、ペギーの3人の娘も結婚後バイゴッド姓を継いでいるため、いまやバイゴッド家は勢いを増してる。
ティムの母イリーナの母方の祖父は初期国民ケサーリ・ブラウンである。ケサーリ・ブラウンはミリー・ビリンガム陛下の次女レナを妻に迎えている。
ティム・ヒルシュの家系図は、ゲンズブール家の断絶時期と、バイゴッド家の復活模様を我々に教えてくれた。
ティムは、フェルタの手も社交的な性格もマシンズピスタも持っていたが、妻とふたりつつましく畑を耕す生活を好んだ。
天から与えられたさまざまな贈り物のうち、妻フェリスとの時間がティムにとっては一番大切なものだったのだろう。それはまるで20年と5日という短い寿命を知っていたようではないか。
ティム220年4日生まれ、妻フィリス220年3日生まれ。
ティムの長女ドリーンはヒルシュ姓を名乗っている。次女タリスは未婚。
この記事を書いた後、初期国民エドモンド・ヒルシュの両親についてのデータを見つけた。妻ジーナ・ヒルシュ170年2日生まれ、夫オージアス・ヒルシュ170年3日生まれ。妻ジーナの性格はわがまま、夫オージアスの性格はおだやか。どちらも剣士と功労者の称号を持ち、郊外の家に住む。妻ジーナ・ヒルシュはエレク持ちの初期近衛騎士。華やかな経歴ではあるが、ヒルシュ家の真髄は伴侶との仲むつまじさなのかもしれない。