ジーノ・カラスコの看取り
240年13日。ジーノ・カラスコの看取りのために噴水通りを訪れた。
ジーノはトーアに引き継ぎをしてくれた前任の神官である。
神官は亡くなる一年前に引き継ぎをするというけど、引き継ぎは秋だったから想定していたよりは早い。
ジーノのカラスコ姓は父方のものである。我がミリー国のカラスコ姓はすべて初期国民ヤン・カラスコに連なる。ジーノはヤンのひ孫にあたる。
ヤンは初期国民ショセフィー・マコケールを妻とした。ショセフィーはマコケール家の1人娘で、ショセフィーのカラスコ家入りをもってマコケール家は断絶している。
ヤンには長男チャック次男セラフィーノ三男ゲラルトの3人の息子がいた。次男セラフィーノがジーノの祖父で、現在はセラフィーノの子孫のカラスコ姓のみ存続している。
セラフィーノの妻リセットは、初期国民ヤスミン・ジュガーノフの娘だ。ヤスミンは、初期国民であるアッピア家の末娘ローレンシアと結婚して下山した。2人の間にできた3子はすべて娘だったため、ヤスミン系列のジュガーノフ姓は残らなかった。またアッピア家も娘2人だったので断絶している。
ジーノの母アラキナは、キャメロン家の出身だ。初期国民マジョレーヌ・キャメロン、ニッキー・キャメロン夫婦の次男マサイアスがアラキナの父でありジーノの祖父である。
キャメロン家といえば、我がミリー国では、神官職の印象が強い。初代〜3代目PCの間、ニッキー・キャメロン、マサイアス・キャメロンが親子二代に渡って神官を勤めていたからだ。ジーノ・カラスコが、この神官の血筋に連なっていたことは家系図をあらためて初めて知った。
初期国民ニッキー・キャメロンは、実はフェティ家の出身であり、キャメロン家の長女マジョレーヌへ婿入りしている。「初期国民の婿入り」現象の5例目である。ニッキーには妹しかいなかったため、ニッキーのキャメロン家入りがフェティ家の断絶を招いている。
初期国民エンツォ・キャメロンはマジョレーヌの弟だが、初期奏女イレーヌ・ストルイピンを妻とした。イレーヌが熟年であったためか子をなさず、エンツォ系のキャメロン姓はのこらなかった。またストルイピン姓はイレーヌの結婚でミリー国からなくなった。マジョレーヌ系のキャメロン姓も、マジョレーヌの孫の代で断絶した。
ジーノ・カラスコ所蔵の家系図によって、マコケール家アッピア家フェティ家ストルイピン家キャメロン家の断絶時期が明らかになった。また「初期国民の婿入り現象」の5例目としてキャメロン家を確認した。(ボヌー家エニュレ家シャイエ家コルベール家キャメロン家)
5代目PCトーアに神官の引き継ぎをしてくれたNPCというだけでなく、3代目PCの長女で4代目PCの姉であるアルルの夫という面でも思い入れがある。
アルルちゃんは本当にかわいい子で、SSはないのだが今生きている国民だとホリー・クレイグに似ている。
この人の髪を緑にしたら、アルルちゃんになる。山岳兵時代は工芸品を作るのが好きで1年目から親を凌ぐ勢いで稼いでいたし、下山してからは農場勤めが長かった。
我がミリー国ではカラスコ家の男はいつもモテキングと失恋王とエナの子にエントリーされていたため、女好きでチャラチャラした印象があり、「カラスコ家の男には気をつけろ」と自分の娘には言い聞かせていた(嘘)。
だもんで、このアルルちゃんがカラスコ家の男の毒牙にかかったとわかった時には「やられた！」と思ったものだった。
実際にジーノはアルルを嫁にしてからもプラプラと若い女を追いかけ回していたため第一印象は最悪だった。神職についたのをみたときは、「ハハハ！年貢の納め時だ！アルルちゃんのためにしっかり働きな！」と思ったものだ。
ところがこのジーノというNPC、親しく付き合って見ると非常にマメマメしいのである。もちろん年齢的に友人が少ないというのもあるだろうが、引き継ぎ直後から、葬儀や看取りのあとなどのどん底の時によく話しかけに来てくれた。朝手料理をくれることも多かったし、タイミングよく酒場に誘うのがうまかった。アルルちゃんが惚れたのも少しわかる気がした。
ジーノのデモンタバールはアルルちゃんを追いかけ回している時に拾ったものだと知っている。
ジーノさん、お疲れさまでした。
どうもありがとう。
ジーノの長女ヴィオレーヌ、長男ジェフともに、カラスコ姓を名乗っている。
山岳の家を離れてアルルちゃんが住み、子供を育てた家が今から空き家なんだよなぁ。
