アレックス・ファウベルの看取り
242年14日。
噴水の水しぶきがきらめく晩夏の噴水広場を横切り、神官トーアは噴水通りC区に向かった。
危篤者はちょうど外出から帰ってきたところだった。
青い貝殻を持っている。フラワーランド帰りらしい。
誰かへの贈り物だろうか?
「飾らない性格」のアレックス・ファウベル。
チカラが突出したステータス。
斧を早く拾ったのかもしれないし、隠れたアカデ因子を持ってるのかもしれない。
端正な顔のアレックス、夏の強い日差しに消え入りそうな、どこか儚げな印象。
妻のガラ・ファウベルは、エナのほほえみもち帰化旅人ルシンダ・ファウベルの娘。
アレックスの青い貝殻はファウベルのほほえみに捧げられてきたのかもしれない。
アレックス自身はカーゾン家の出身。
長女ドミニカ、次女セシィーともにビリンガム姓を名乗っている。