ユベール・コルベールの看取り
1年前の今日、収穫祭の夕刻の城下通りを、近衛騎士ハリエット・コルベールがモフ毛を抱えて歩いていた。彼女は人生最後の日に森の警備をして過ごし、自宅に帰るところだった。
トーアはハリエットのことを思い出しながら城下通りD区の屋敷を訪ねた。今日はハリエットの夫ユベール・コルベールを看取る。
ユベール・コルベールの家系図はシンプルだ。
ユベールはカトルーフォ家の出身だ。カトルーフォ姓はユベールの父ギョーム・カトルーフォによってエルネア王国にもたらされた。ギョームは帰化旅人であり、アミナ・ガルシアを妻とした。
初期国民ワイアット・ガルシアとエマニュエル・ガルシアは一人息子マウロを授かった。マウロはオルセン家のベルタを妻とし2人の娘に恵まれた。娘たちの嫁入りをもってガルシア家は断絶した。
ギョームの2人の息子はカトルーフォ姓を継がなかったので、カトルーフォ家も一代限りで断絶している。
ギョームの長女ジョディはシャリフ 姓を、次女イザベラはコルベール姓を名乗っている。