フェリーチェ・マーウィンの看取り
夏も盛りの14日。神官トーアはガノスに旅立つ者を見送るために山岳の家2、すなわちマーウィン家の屋敷にむかった。
マーウィン家の山岳兵隊長として一族を率いただけでなく、山岳兵団長、そして龍騎士と、山岳兵としての名誉を全て手に入れたフェリーチェ・マーウィンは、最愛の家族に囲まれてそこにいた。
枕元には孫のファンルイスがいて、フェリーチェに呼びかける。
フェリーチェの夫で、マーウィン家に婿入りしたウルリヒは、同じ山岳家のジュガーノフ家出身。トーアの母の兄、つまり叔父にあたる。
喪主はフェリーチェの長子のルシアーノ。
山岳の家での看取りは、寂しさよりもあたたかさを感じる。